ESTのホームページへ今年3月の入試で、尼崎学区で初めて複数志願制が導入されました。
その結果は以下の通りです。
数字が縦にそろわず、見えずらいことをお許しください。。。

左から、高校名・複数志願定員(総募集定員)・第1志望受験者・倍率となっています。
学校名 複数志願募集定員 第1志望受験者数 H20倍率
尼崎北 252(280) 219
0.84尼崎小田 200(200) 202 1.01
市尼崎 204(240) 231 1.14
県立尼崎 240(280) 297 1.24
尼崎西 170(200) 231
1.36市尼崎東 185(200) 283 1.25
トップ校にあたる尼崎北で定員割れしています。
伊丹学区で言えば、緑台で定員割れしたということです。
普通では考えられないことです。。。
その原因を分析してみると、
まず9月段階での希望調査で尼崎北の倍率がとてつもない高倍率になったために、
多数の人が敬遠して志望校変更したと考えられます。
さらに、初めての複数志願制の導入に際しての、
中学校間の意思の疎通の不十分さが考えられます。
伊丹学区では、尼崎学区の経験を生かしていくものと考えられます。
その他の数字として、志願パターンの結果です。
左から、志願パターン・人数・割合・合格数・不合格数・合格率です。
志願パターン 人数 割合 合格 不合格 合格率
第1志望のみ 120 8.50% 92 28 76.70%
第1志望校・第2志望校 294 20.90% 287 7 97.60%
第1・第2志望校、その他校 958 68.00% 845 113 88.20%
第1志望校、その他校 37 2.60% 27 10 73.00%
合 計 1,409 100% 1,251 158 88.80%
*「その他校」とは、第1志望、第2志望以外の学校のことです。
(1)合格者のうち第1志望校に合格した割合は
94%でした。
第1志望受験者の合格率が94%であることを考えると、
事前にじっくりと考えられたと思われます。
(第1志望受験校に
20点加算されます[尼崎は15点]…これは大きいです!!)
(2)第1志望校のみを志願した割合は
9%でした。
普通1校のみを志望する場合、併願すると思われますが(緑台と清風など)、
それが少なかったということです。
(3)第2志望校を記入した者の割合は88.9%でした。
(4)第1・第2志望以外の学校の入学を希望する割合は70.6%でした。
つまり
91%の人が複数高校を志願しています。
総合選抜とあまり変わらない形で公立専願が多くを占めるものと想像できます。
さらに、特色選抜の結果です。
左から、学校名 学科 募集定員 志願者 不合格 ’08年倍率です。
学校名 学科 募集定員 志願者 不合格 '08年倍率
尼崎北 普通 28 50 22 1.79
市尼崎 普通 36 75 39
2.08県立尼崎 普通 40 60 20 1.50
市尼崎東 普通 20 15 定員割れ
0.75尼崎西 普通 30 31 1 1.03
やはり倍率はやや高めの結果となっています。(定員割れもありますが…)
来年度入試では伊丹学区では以下の通りで、特色選抜を実施します。
緑台高校:
数理探究数学・理科に関するテーマに基づく学習により真理や本質を究める力や独創性を
身につけるとともに、大学・研究所等との訪問や大学との連携により、
論理的思考力を高め、探求心の育成を図る。
特色科目:「数学探究」「化学詳論」「生命環境」
北陵高校:
科学教育将来、理科数学の教育分野や科学技術に携わる職業を目指す生徒を対象に、
実験、課題研究や論文作成・発表に取り組むとともに、
大学との連携などにより自然科学分野におけるものの見方や探究心を培う。
特色科目:「科学教育研究」「自己デザイン」
明峰高校:
国際情報海外とのテレビ会議等による情報交換、文化の交流を通じて情報機器を利用した
英語運用力やコミュニケーション能力等の向上を目指し、
将来、国際的な視野を持ち社会で貢献できる生徒の育成を図る。
特色科目:「国際情報T」「国際情報U」
猪名川高校:
教育コミュニケーション幼児、児童教育等に興味がある生徒を対象に、保育園における実習体験や
小学校等での交流活動を通じて教員として必要な基礎となるコミュニケーション能力を培い、
地域に貢献できる生徒の育成を図る。
特色科目:「発達と保育」「家庭介護と福祉」
県立伊丹高校:
自然科学自然科学分野に興味・関心が高い生徒を対象に、実験・観察等を重視する学習活動に
取り組むとともに、自己表現力を培うことによって、
自らの将来を創造的に切り開いていこうとする生徒の育成を図る。
特色科目:「創造科学」「理科実験」「数学研究」
伊丹西高校:
総合ヒューマン人と接する基本技術習得を基礎として、医療・福祉施設訪問や保育所実習などの
体験学習を行うことで、
将来、医療・看護・福祉・保育の分野に携わり社会貢献できる生徒の育成を図る。
特色科目:「ヒューマン基礎」「看護福祉」「発達と保育」
要項をまとめると、
(1) 募集定員
各学校の募集定員の
15%以内で、
最大は40人(1クラス分)となります。
(2) 選抜試験の実施時期
例年2月に実施しているコースや専門学科等の
推薦入学の期日と同じ日程となります。
(3) 出願資格
@ それぞれの学校の特色ある教育内容を理解し、
それぞれの高校で学習する強い意欲を持つこと。
A それぞれの高等学校長がその特色ある教育内容に応じて定める要件を満たすこと。
B 受験者本人が志願理由書を提出すること。(
中学校長の推薦はいらない→これは大きい)
(4) 面接・実技検査等
それぞれの高校において面接を実施する。
また、必要に応じて実技検査、小論文(作文)を実施することができる。
(5) 合否の判定
それぞれの高校の特色ある教育内容に即して、
面接及び実施した検査等の結果と調査書を総合して合否の判定を行う。
…である。
一般入試の前に受験するため、学校によっては相当な倍率になると思われる。
さらにさらに、
こんな
■トピック■も…
市立伊丹高校が、来年度受験から公立高校としては初めて関西大学のパイロット校として
「高大接続パイロット校推薦入学制度」の適用校として認定されました。
これにより9学部に各1名、推薦入学が許可されます。最後に、入試制度まめ知識として
まず基礎知識として単独選抜と総合選抜の違いを知って下さい。
■単独選抜■単独選抜とは各高校ごとに入学者の選抜を行う方法です。〔となりの大阪府が該当します〕
受験生が受験したい高校に志願し、その受験した高校が合否を決める方法です。
(回し合格はありませんから、落ちると私学に行くことになります)
人気のある高校の受験希望者が多くなるために、その年の受験者の人気の度合いによって
合格難易度(倍率,不合格者数)が変わってきます。
たとえば、今年の伊丹学区の場合、定員1,640名に対して志願者1,725名(倍率:1.05倍)
つまり不合格者は7校合わせて、85名となりました。
それに対して、大阪のトップ校・北野の場合、定員320名に対して志願者392名(倍率:1.23倍)
つまり不合格者が1校だけで72名も出ることになります。
なお大阪第1学区での最高倍率は春日丘(定員320名,志願者505名)の1.58倍で
なんと185名の不合格者を生むことになりました。
自分の受けたい高校を選ぶことが出来るので、自分に合った高校選びが出来ます。
■総合選抜■総合選抜とは学区内の定員をすべて合格者とし、生徒の居住地、交通の便等を考慮し、
生徒の学力が高校ごとに均等になるように合格者を各高校に配分する方法です。
(イメージとしては学区内のすべての高校が合同で合格者を決めることになります)
来年現在では宝塚学区だけとなります。
だから、基準の成績以上を取れていれば、確実に高校に合格できますが、
高校を自分で選ぶことが出来ず〔ただし校区外で選ぶことはできます〕、
合格発表があるまで自分の行く高校が分からないということになります。
以上の両方のいいとこ取りの案として複数志願制が浮上してきました。
■複数志願制度■ 来年度から伊丹学区で実施されます。これによってこんな選択ができます…!!!
●緑台高校と私学(清風・関西大倉・四天王寺・関大一など)の併願
「緑台に行きたい。でも猪名川に回されるのはイヤ!!」もし緑台がダメだったら
私学(清風・関西大倉・四天王寺など)に行くという選択が出来るようになります。
今までだったら、緑台をねらう生徒が公立を落ちるということがありえなかったので、
私学と併願という概念が成立しなかった。
●緑台高校と北陵高校と私学(清風・関西大倉・四天王寺・関大一など)の併願
「緑台に行きたい。ダメなら北陵に。でも猪名川に回されるのはイヤ!!」の
公立2校選択バージョンです。
以前のように公立専願「公立ならどこでも…!!」なら内申実力が相当あれば可能です。
ただし『回し合格』がなくなるので、万が一のことを考えて併願することになります。
どう考えてみても、実力勝負になっていくのは“明白”。
内申が大事なのは当然ですが、今まで以上に実力を付けていかないと、
公立入試の約1ヵ月前にある併願私立入試を突破できません。
私立入試は完全なる
『実力勝負!!』です。

